二匹の蝶

乗るつもりだったバスの後ろすがたを呆然と見送り、
バス停で次のバスを待っていた。

じりじりと照りつける日ざしを日傘で防ぎつつ、
空を見上げた。夏の雲が青空をさまざまな形に
型抜きしていた。

雲間に、チラチラ、ハラハラと動くものがある。
よく見ると、それは二匹の蝶だった。

つがいなのだろうか、二匹は追いつ追われつ、
高く高く舞い上がっていく。

濃茶色に生い茂った桜の木よりも、
二階建ての保育園よりも、
高く、高く。

そのうち、蝶は風に流され、羽ばたきながら、
遠ざかっていった。

一夏限りに違いない、二匹の蝶の恋が成就することを、
汗ばみながら願った午後だった。

Vacation in Karuizawa

今年もまた、軽井沢に行ってきました。

毎年と変わらず、三度の食事は自分たちで作り、アウトレットを
冷やかしに行き、町(=旧軽銀座)にお土産を買いに行く、
というだけ。お土産も同じ店で同じものを買います。

行き始めたころはテニスをしたり、観光名所に行ったり、
外食しに行ったり、BBQもしましたが、最近はしなくなりました。

木立ちを抜ける風の音、せせらぎ、鳥のさえずりに耳を傾ける。

地元産の野菜で作るパスタ、地元の店特製のソーセージやハム、
地元のスペシャルティコーヒー店お勧めのコーヒー、
友人手作りのジャム等々を堪能する。

久しぶりに会った友人とお互いの話しを聞き合う。

買い物途中の道で、苔むした庭のみずみずしさ、
ひょっこり生えてきたキノコの愛らしさに、目をとめる。

これだけで、じゅうぶんに満たされるのです。

新奇なものがなくても満たされることを確認しに行く場が、
私にとっての軽井沢なのかもしれません。