学校・教育・子どもの未来

昨日はSVP東京のネットワークミーティングでした。
今回は会場として、シュタイナー教育を実践している、
NPO法人東京賢治シュタイナー学校」を
お借りして、開催しました。ありがとうございました!

今回のNWMから運営チームに入って準備を進めてきました。
6月頃からメーリングリスト上でのやり取りが始まり、
当日直前まで、様々な調整や確認が飛び交い、
意外とタイヘンでした。が、そんなタイヘンさも吹き飛ぶような、
豊かな内容のイベントになり、ホッと一安心です。

まずは、第一部として、賢治の学校の校舎見学から、
させていただきました。

元々、倉庫だったという建物を生徒の親と教師が中心になって、
改修した、手作り感あふれる教室です。

校舎の裏手には、モンゴルのゲルが建っていて、ビックリ。
九州かどこかでの展示用にモンゴルから持ってきたものを、
寄贈してもらい、修理のためにわざわざモンゴルから
職人を招聘したのだとか。。。生徒もドアのペイントなどを
手伝ったのだそうです。

生徒たちが自分で創っている教科書(ノート)も、
見せてもらいましたが、特に芸術的表現が素晴らしい!
自分の子ども時代を振り返ってみて、こんなに色彩豊かに、
自由に学ぶことができていたら、人生変わっただろうなぁ~と、
思いました。

校舎見学の後は、4年生から12年生までの生徒たちによる、
「中野七頭舞」のパフォーマンスを見せて頂きました。
(中野七頭舞は岩手の郷土芸能で、神楽の一部だそうです。)
ここまでだけでも、すっかり満足してしまいましたが、
ここからがSVP東京のNWMの始まりです。

今回のスピーカーは、「賢治の学校」、「菱田慶文(剛気)さん」、
リリムジカ」の3組でした。

今回、賢治の学校とリリムジカに登壇していただくことは、
あらかじめ決まっていたので、2つの団体の共通テーマの
「教育・学校・子どもの未来」に近いスピーカーを探していました。
そこに、ご縁がつながったのが菱田さんでした。

「会社作る気ないし・・・」と再三おっしゃっていましたが、
そんなことはどうでも良くなっちゃうくらい、
菱田さんの生き様そのものがリアルで、
いくつか語られる子ども達とのエピソードから、
それがいかに真剣なものか、聞いているだけで、
胸が詰まるような思いでした。

こんなふうに同じ目線で向き合ってくれて、
背中で「あきらめないこと」「努力すること」を
見せてくれる大人が近くにいたら、
道をはずれる子ども達も減るかもしれません。
そして、その子ども達の親たちも、
何かを感じ取れるかもしれません。

懇親会の席で、賢治の学校の父兄の方と話していたのですが、
賢治の学校で取り組んでいるのは「未来を創ること」、

菱田さんのように荒れた学校で心がすさんだ子ども達に向き合うのは、
ある意味、「過去を償うこと」ではないか、と思いました。

ともすると、今、非行や不登校など問題が起こっているところ、
世界レベルでみると、そもそも学校に行けない子どもなどに
目が向いてしまいがちですが、だからと言って、そのことばかりに
すべての援助が注がれてしまっては、これからの未来を創ることが
おろそかになってしまいます。

どちらも大切なことで、どちらにすべき、と言うことはできません。
でも、私たち大人が創ってきた今までの現実を、これから
どうしていきたいのか、そのために何をしていくのか、
どんな責任を果たしていくのか、そんなことを考えると、
例えば、賢治の学校のような教育も一つの選択肢になるように
思いました。
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親が1ミリ変わると子どもは1メートル変わる―親と教師がつくる「新しい学校」
鳥山 敏子

心のままに進め

8月8日、アラスカ・シトカで、星野道夫さんを記念した、
トーテムポールがたちました!!!

実行委員会の皆さん、ついにこの日が来ましたねー!!!

寄付してくださった方、関心を寄せてくださった方、
皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。

☆ ☆ ☆

去年の今ごろは、「来年の8月8日は必ずシトカで、
綱を引いている!」と決めたつもりでいましたが、
その後の自分自身、そして人生の変化に従い、
行かないことを選びました。

ここ数週間のあいだ、行かない選択をしたことで
沸いてきた悔しさ、置去り感、無力感などの感情と
共にいました。

いわゆる「負」の感情ではありますが、もう一方では
この選択をしたことで強まったこともあることを感じつつ、
人生の豊かさの一部分として受け入れるようにして、
ステイしていました。

そして、8月8日の当日は、有休をとって、
星野さんのお墓参りに行ってきました。

初めて来たのは10年前だったなぁなどと思い出しつつ、
何度も通い慣れた道中、バスに揺られながら、
頭をめぐっていたのは、この一節でした。

「ある夏の日の夕暮れ、売りに出た森の倒木に
腰掛けていると、資金もないのに急に夢が膨らんできた。
ほおをなでてゆく風が、移ろいゆく人の一生の不確かさを告げていた。
思いわずらうな、心のままに進めと・・・・・・。」

  (『長い旅の途上』「旅の終わり」 星野道夫・著、文藝春秋)

星野さんが長い旅暮らしを終えて、アラスカに土地を買い、
家を建てようと決心した、というエッセイに綴られた言葉です。

これから独立しようとしている私には、
この言葉は大いなる励ましに感じられました。

星野さんのお墓の周りは蝉時雨のまっただなか、
すでに美しい花が供えられていました。

時折、木々の間を飛びまわるものがあり、
最初は鳥かと思っていましたが、良く見るとセミでした。

墓参を終えての帰り道、ふと足元を見ると、
すでに命をまっとうしたセミの死骸が
いくつも地面に転がっていました。

人の一生はセミほどではないにしろ、
思ったよりも、案外、短いものです。
ならば、「心のままに進め」。

他人の人生ではなく、本当の自分を生きる道を、
生命の光りをさがしもとめる道を、進む。
そんな生き方をこれからも続けていこうと思います。
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長い旅の途上
星野 道夫