一善の連鎖

BTCの宿題で出された「一日一善」を実践していて、
ふと思い立ち、小説「ペイ・フォワード」を読みました。

今からちょうど10年前、2001年2月に公開された映画の
ペイ・フォワード」のほうがおそらく有名で、
ご覧になった方も多いかもしれませんね。

主人公の少年トレヴァーは社会科の宿題で出された
「世界をより良く変える手段」として、
ペイ・フォワード運動」を思いつきました。
(英語では、Pay It Forward。ペイ・イット・フォワード)

誰かのためになる行為を見返りを求めずに行い、
それを受けた人は「恩返し」するのではなく、
誰か他の3人に同じことを行うのが、
「ペイ・フォワード運動」です。

Wikipediaで「ペイ・フォワード」を調べてみたところ、
日本語にもほぼ同じ意味の「恩送り」という言葉や
情けは人のためならず」ということわざがあったことを
知りました。

「恩返し」だと、一対一の関係の間で恩のやり取りがなされ、
ある意味、閉じた関係のなかで、ことが起こるだけです。

これを、「恩送り」すること、つまり誰か他の人に、
自分が誰かから受けた恩を受け渡すことで、
善意や親切の輪を広げていくことができます。

ペイ・イット・フォワード運動、恩送りで大切なのは、
まずは始めること、そして他者を信頼することです。
始める勇気、信じる強さがそれを可能にしてくれます。

すべての人が恩送りをあたりまえに行っている世界って、
きっとやさしく、思いやりに満ちていると思います。

そんな世界に私も生きたい。だから、一日一善は、
宿題で終わらせることなく、これからも続けていくつもりです。

【芋づる式Book List】

ペイ・フォワード (角川文庫)
キャサリン・ライアン ハイド Catherine Ryan Hyde
4042905013

映画は原作とは設定もストーリーもすこし違っているようです。
(私は見てないのです・・・恥)
ペイ・フォワード [DVD]
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一日一善

1月30日(日)のBTCで出た宿題は、「一日一善日記」。
文字通り、1日にひとつ「良いこと」をして日記につける、
というものです。

「どんなささやかなことでも良い」とのことだったので、
早速カウントを始めてみました。

例えば、
・後から来る人のためにドアを押さえておく。
・洗面所で手を洗った後、シンク周りの水滴を拭く。
・つけっ放しの照明のスイッチオフする。

ところが、自分には習慣になっているようなことまで、
「良いこと」とカウントしてよいのか?という疑問が
沸いてきてしまいました。違う言い方をしてみると、
「一善」と呼べる「良いこと」はどんな行いなのか?
という問いです。

「良い」か「悪い」かの価値基準は文化・倫理・宗教的に
異なり、人それぞれです。

この問いをしばらく持っていて私が思いついた定義は、
「『良いこと』とは、その行為をすることによって、他者に
なんらかのポジティブな結果を生み出す行為」です。

ここで言う「他者」は人間だけに限らず、動植物を含めた、
環境も含まれます。

この定義においては、自分ひとりだけが満足して成果を
得るような行為は「良いこと」にあてはまりません。

もちろん、他者だけでなく、自分も副産物として良い結果を
得られることはあり得ますが、自分だけのために見返りを
求めて行う行為は「一日一善」ではないわけです。

小難しく考えてみましたが、要は、誰かのために、
自分にできる小さなことを積み重ねるのが
「一日一善」なのかな、と思うに至りました。