ティク・ナット・ハン師の小説「ブッダ」を読了しました。
最近読んだ本の中では最も引き込まれ、感動し、
深く味わいました。
ブッダ(ゴータマ・シッダールタ王子)の生涯を小説として
つづったものですが、説法やエピソードについては
全てパーリ語あるいは漢訳仏典に根拠を求めて、
書かれたものだそうです。
この本をエンターティンメントとしてストーリーを追って
読むことももちろんできますが、むしろ仏道修行の
指南書としてとらえると、最大限に活用ができそうです。
例えば、私にとっては難解で理解しづらかった
「無常」「無我」「空」などの概念がやさしい言葉で
小説の自然な流れのなかで、かみくだいて書かれており、
これまでに比べるとすんなりと入ってきました。
(でも、まだ完全には自分のものとしては消化できていませんが)
ティク・ナット・ハン師が生涯をかけて学び教え伝えてきた
仏道を、ブッダその人が語ったこととして書かれたために、
より理解しやすくなっているのではないかと思います。
また、仏教用語、特に漢語にもサンスクリット語、さらには
パーリ語に馴染みのない私のような読者には、非常に親切に
注記がなされていることも助けになっており、翻訳者の方には
美しい日本語での翻訳と共に、その労力に感謝したいです。
これからも手元に置いて、折々に読み返し、学びを深めて
いきたいと思える一冊です。
この本、実は映画化の計画があるそうですが、制作中のようで、
公式サイト:Buddha -The Enlightened Oneには、
まだほとんど情報が掲載されていません。
この美しい本がどのように映像化されるのか、映画の完成が
今から楽しみです!
【芋づる式Book List】
小説ブッダ―いにしえの道、白い雲
ティクナットハン Thich Nhat Hanh