[Book]「信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学」

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特にソーシャル分野で多くの良書を出版されている英治出版
信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学」を読みました。
いやー、シビれました!

ネルソン・マンデラ氏と聞いてまず浮かぶのは「アパルトヘイト」
「南アフリカ」「ノーベル平和賞」でしょうか。

アパルトヘイト廃止の宣言がなされたのは1991年です。
ブラック・マンデー、ベルリンの壁崩壊、湾岸戦争、
ソ連崩壊、そしてアパルトヘイト廃止と1980年代末から
1990年代はじめにかけて、世界が大きく揺れ動きました。

あの時代を共有していない若い世代にとっては、教科書に
載っていた過去の出来事としか感じないかもしれませんね。

もしそうだったとしても、ネルソン・マンデラが発揮した
リーダーシップと彼の苦難に満ちた人生から学べることは、
世代を問わず、あるはずです。

「信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学」は、
マンデラの自伝「自由への長い道」を編纂したジャーナリスト、
リチャード・ステンゲルによって書かれています。

自伝を編纂するためのインタビューで共に長時間過ごし、
垣間見たマンデラの人となりや個人的側面を紹介しつつ、
マンデラのリーダーシップと人生哲学を著者なりの
洞察を加えて、15の行動哲学にまとめています。

<マンデラ 15の行動哲学>
勇敢に見える行動をとれ
常に冷静沈着であれ
先陣を切れ
背後から指揮をとれ
役になりきれ
原理原則と戦術を区別せよ
相手の良い面を見出せ
己の敵を知れ
敵から目を離すな
しかるべきときにしかるべく「ノー」と言え
長期的な視野を持て
愛ですべてを包め
「負けて勝つ」勇気を持て
すべての角度からものを見よ
自分だけの畑を耕せ

最近、本を読みながらこれは!と思った箇所に付箋を貼るように
しているのですが、この本はこんなことになってしまいました。

「信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学」

はい、笑っちゃうくらい付箋だらけです。触発された箇所が
多すぎるくらいなのですが、ほっこり温かい気持ちになれた
章をあげるとしたら、第15章「自分だけの畑を耕せ」です。

マンデラは27年もの間、刑務所に入れられていましたが、
なんと刑務所で畑を作り、野菜を育てていたのだそうです。

最初は道具も無く土が悪くて苦労したものの、次第に
上手になってきて、畑で収穫した野菜を刑務所の厨房に
提供したり、看守にも分け与えていたそうです。

刑務所という自由を束縛された環境において、唯一、
思い通り振舞えた畑は、マンデラにとって、慰めであり、
心が安らぐ場所だったのです。

リーダーの立場に身を置くと、自分だけの楽しみや休息が
二の次になってしまうことがあります。短期間なら
何とかなっても、長期間になってくると息抜きの手段を
持ち、時々ガス抜き、息抜きすることが必要です。
そうしないと燃え尽きてしまいます。かくいう私も経験あり・・・

マンデラの場合はそれが畑仕事だったのです。
趣味でもスポーツでも、仕事以外の何か夢中になれる
好きなものを持っておくこと、それがリーダーで
あり続けるための必要条件なのだと、この章は
教えてくれました。

もうひとつ、このブログを読んでくださっている皆さんに
お伝えしたい大切な言葉は「ウブントゥ」です。

アフリカには「ウブントゥ(Ubuntu)」という概念がある。
これは「私たちは他者を通してのみ人間として存在する」という意味だ。
他の人々の功績や貢献のお陰で、自分はこの世で何かを成し遂げることができる」という考え方である。
(「信念を生きる」ネルソン・マンデラによる序文より引用)

「ウブントゥ」は、人を集団から独立した個人とみなすのではなく、むしろ他の人々と無限につながる複雑な関係の中の一部とみなす考え方である。私たちは皆互いにつながっており、まず「私たち(we)」があり、その後に「私(me)」が続く。つまり、他の人々から孤立した「島」のように存在する人間などいないという考え方だ。
(「信念を生きる」マンデラからの贈りもの P.232より引用)

人に限らず、動植物を含めてすべての命あるもの、無生物でさえも
つながっている、という考え方があります。Yogaもそうです。

この考え方を端的に表せる言葉があったらいいなぁと思っていたのですが、
それが「ウブントゥ」なのかも。

ネルソン・マンデラやリーダーシップに興味があってもなくても、
信念を持って生きる生き方を知りたい気持ちがある人に
心からお勧めしたい一冊です。

信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学
リチャード・ステンゲル
4862761410

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