正常心

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ふと手にとった松下幸之助さんの「道をひらく」。
示唆に富む文章を見つけたので、シェアします。

正常心

 火事になればだれもがあわてる。たいへんな非常事態で、だからなりふりもかまわず、他人の足をふんででも、まず火を消さねばならぬ。物を持ち出さねばならぬ。人の助けもかりねばならぬ。非常の場合には、非常の措置もやむを得ないのである。

 戦後数年のわが国は、この火事以上の非常事態であった。だから非常のなかの非常の振舞方や考えが、次々とあらわれてきた。やむを得なかったともいえよう。

 しかし、これはあくまでも非常のなかでのことである。火事がおさまれば、やはり他人の足をふむことはゆるされぬ。人の助けをかりることを、当然と考えるわけにもゆかない。正常にかえれば、正常の心がやはり求められるのである。

 わが国の人心は、現在、はたして正常にかえったかどうか。生活は正常にかえったのに、”非常”に甘えた振舞や考え方が、なお根強く残っていはしないか。

 正常心にかえるためには大きな勇気がいる。勇気をもって反省してみたい。ふりかえってみたい。そこに人としての道のはじまりがあるといえよう。

「道をひらく」 pp210-211 松下幸之助 PHP研究所

被災地の皆さんは、まさしく「非常時」に直面して
いらっしゃいます。だから、「正常心」を堂々と捨てて、
今は人の助けを頼ってください。

被災地にいない皆さんは、助けを求められたら、
与えてください。

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