図書館の書棚で見つけて、「ホクレア 星が教えてくれる道」を
読みました。
著者の内野加奈子さんは、2007年にホクレア号が
ハワイから日本に来た時のクルーのひとり。
私も横浜まで講演会を聞きに行った時にも、
壇上で、体験を語っていらっしゃいました。
(2007年6月16日:
ホクレア号とNainoaに究極のリーダーシップを学ぶ)
2年前の講演で強烈に得た感覚を、今度は書籍を通して、
再体験したかのようでした。
ホクレア号の航海中、洋上でどんなことが起こったか。
そのすべてではもちろん無いにしろ、
実体験者の言葉で知ることによって、
人と自然の関係をもう一度、考え直すことができました。
人と自然は対立する存在ではなく、
人が自然に合わせるべく能力を高めることで、
共に生きることが出来る。
それが、何千キロも離れた島を渡る航海であっても、
不可能ではない。
そんなことを改めて、思いました。
ホクレアを導いた伝統航海術では、地球上の自然だけでなく、
宇宙の星座も、自然と共に生きるためのツールとして
活用しています。
古代人が獲得した、そんな自然と共に生きる術を、
技術や道具の発展と引き換えに現代人は忘れてしまいました。
その損失の大きさは、本当に引き換えにできるものだったか。
また、もう一度、私たちが伝統的な技術を獲得できるのか。
そんなことを問い直してみたいと思いました。