今日は念願かなって、難民支援協会主催の
難民アシスタント養成講座・基礎編の1日目に参加しました。
今日は難民の定義や国際法、申請手続きなどについて、
たっぷりじっくりと講義を受けました。
以前から、難民問題には関心を寄せていたのですが、
かと言って、体系だった知識もなく、具体的な行動までは
起こせていませんでした。
去年の春頃、あるメーリングリストでこの講座の存在を知り、
タイミングが合うのを待ち続けて、ついに参加することが
できました。
では、私がなぜ難民に強い関心を寄せているか、ですが、
それは今までの人生で二度、難民との出会いが
あったからです。
また、大学の大先輩の緒方貞子さんが、
国連難民高等弁務官を
10年にわたって務められていたことも、
もうひとつの理由かもしれません。
初めて「難民」と呼ばれる人に出会ったのは、大学生の時。
ベトナムから難民として来日したという同級生がいました。
彼女は日本語もかなり上手で、何の遜色もなく、
ふつうの外国人学生と同じようにキャンパスに
溶け込んでいました。彼女の明るい笑顔を今でも
思い出すことができます。
2度目はスウェーデンに滞在していた11年前のこと。
確かスウェーデンからデンマークに渡るフェリーの上だったと
記憶していますが、イラクからの難民の男性と出会いました。
お互い片言のスウェーデン語と英語で話したのですが、
既にスウェーデンに定住し、スウェーデン語も習っていると
話していました。
今思えば、特にこのイラク人男性との出会いが、
私に大きな問いと心の痛みを残していました。
イラクとスウェーデン、地理的にも歴史文化、言語にしても、
まったく似ても似つかない国です。
彼は自ら好んで、母国とまったく環境が異なる異国に
住まなければならず、二度と母国には戻れないという
境遇になったわけではありません。
そういった、自力ではどうしようもない状況に置かれた時、
人はいかにして再び希望を持つことができるのか?
10年以上も私の中でくすぶり続けいてたこの問いに、
講座に参加することで、やっと日の目を当てることが
できそうです。
少し話は変わりますが、奇しくも、昨日参加した
新渡戸国際塾公開シンポジウムで、
難民を助ける会の長有紀枝さんが言及された、
国際赤十字のジャン・ピクテの言葉がピンとくるので、
ここでも紹介させて頂きます。
【人道の4つの敵】
・利己心 Selfishness
・無関心 Indifference
・認識不足(無知) Ignorance
・想像力の欠如 Lack of imagination
このうち「無関心」は、チェンジ・ザ・ドリームシンポジウムのなかで、
モード・バーロゥが言っている、「知らずにいる権利」とも通じます。
同じく長さんによると、
人道とは「遠くにいる知らない人に対して思う気持ち」であり、
人情は「家族や友人など近くにいる知っている人に対して思う気持ち」
なのだそうです。
人道にこそ必要なのは想像力であり、「痛みを共に感じる」という
本来の意味での共感(Compassion)なのだと思います。
私自身、今回、この講座を受講することによって、
少なくとも「認識不足」からは抜け出せそうです。
私に何ができるかはまだわかりませんが、
まずは、日本における難民支援について知ることから
始めてみようと思っています。