こんにちは、リュッカティル @lyckatill のサチコです。
ホテルオークラ東京本館が取り壊され建替えされるとのニュースが流れてから、早一年。今年2015年8月末の閉館まで、いよいよ一ヶ月余りに迫ってきました。
ホテルオークラの本館は戦後日本のモダニズム建築として世界的にも高い評価を受けているそう。芸術的にも価値が高い日本のモダニズム建築についての意識を高めようというプロジェクト #MyMomentAtOkura を、ボッテガヴェネタのクリエイティブ・ディレクター、Thomas Maier氏が展開しています。
参加はホテルオークラ東京で撮った写真をInstagramでハッシュタグ #MyMomentAtOkura を付けて投稿すれば完了。Instagramのアカウントさえ持っていれば誰でも簡単にこのプロジェクトに賛同できます。
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ホテルオークラ東京、実は私の大学生時代のアルバイト先だったのです。仕事は神前結婚式のお巫女さん。上の画像はその当時のものです。なぜかオデコ丸出し。
入学式の前から卒業式の後までの丸4年間+α、ホテルオークラ本館・別館とオークラが経営していた霞友会館に通っていました。(+αというのは、社会人になってからも何度か人手不足の時にかりだされたから。我ながらとうが立った巫女さんでした・苦笑)
今とは違い当時はまだ神前結婚式の方が多く、多い時は一日に10式も受け持ったこともありました。一日がかりの日の昼食は食券(当時300円位)を買って、ホテルの従業員食堂に行っていました。従業員用のドアから裏に入り、業務用エレベータに乗って地下の廊下を延々と歩き、たどり着いたその先でホテル職員の人達に混じって定食を食べていました。
巫女さんバイトの思い出は楽しいものばかり。神官のおじいさん達の昔話や、雅楽を演奏する楽人さん達に宮内庁楽部の裏話を聞いたり、他大学のバイト仲間とのおしゃべりがおもしろかったことをよく覚えています。
このバイトは紹介制で公募はしておらず、わたしも高校の先輩に誘ってもらいました。カトリック系のミッション・スクールのくせになんのその(笑)ちっとも気にしてませんでした。
バイト道具は半襦袢と腰紐と足袋。千早(袴の上につける上衣)や朱色の袴は備え付けのものを共有して着ていました。
そんな思い出多きホテルオークラ東京に取り壊し前に一度は行かねばということで、友人とランチしに行ってきました。友達に神前結婚式場のあった場所だけでも見せようとしていたら、廊下でホテル従業員の方が声をかけてくださり、式場内に入らせていただきました。
中はほぼ当時のままでした。まるで時が止まったかのようでした・・・感涙。
今思うと、ごく日常的にオークラの「ザ・日本の美」とも言えるモダニズム建築とデザインにふれていたこと、神道にふれていたこと、働く大人を間近で見ていたことは、意識を高めるうえで有用でした。
閉館まであと一ヶ月とすこし。継承の危機に瀕している日本の美にふれに行ってみては?