手渡し、手放す

先週末、非営利団体セブン・ジェネレーションズのスタッフとして、
2008年12月以来続けてきた種々の業務の引き継ぎが、
すべて終わりました。

今後は、スタッフとしてではなく、ひとりのファシリテーターとして、
この活動には参加していくつもりです。

最初は「お手伝い」感覚で、途中からはスタッフとして、
チェンジ・ザ・ドリーム シンポジウムを日本に展開する
活動に携わってきました。去年春頃からは、NPO法人の
設立準備も始まり、その中心メンバーとしても動いてきました。

この間に、ファシリテーターは1人から77人に増え、
延べ登録参加者数は1000人を目前にするまでに、
広がってきました。

この活動そのものの、また代表の榎本英剛さんの
目指すところが、私個人のミッションと近いこともあり、
それを中心的立場で動かしていけること、ゼロから
新しく生み出していけることに、大きな喜びと楽しさ、
生き甲斐を感じていました。

ところが、去年夏頃からストレスのせいなのか、
心身の不調を感じるようになり、11月頃に
ついにピークに達してしまいました。

その時、気づいたのです。

私自身が、人生の様々な面において持続不可能な状態で、
「持続可能な未来を創る」ための活動を続けるのは、
本末転倒だと。

そうは言っても、未練も当然あり、しばらく葛藤し悩みましたが、
すべての業務を引継ぎ、役員からも退き、手放す決心をしました。

引継ぎのミーティングを終えてみて、今あるのは、
「やりきった!」という達成感と安堵感です。

私が駅伝の第1走者だったとしたら、信頼できる第2走者に
「バトン」あるいは「たすき」を渡すことができた、
そんな安堵感です。

「引継ぐ」と言っても、受け取ってくれる人がいなければ、
できることではありません。私ひとりが担当していた業務を
内容別に整理して大きく2つに分け、2つのチームに引き継いだ
のですが、どちらの担当者もこころよく受け取ってくれました。
ほんとうに有り難いことです!

これからも、共感するたくさんの人が引き継ぎ、
受け取っていってくれることを願うとともに、
志とビジョンが続いていく未来に、
エールと祝福を贈ります。

そして、私自身は過去に執着を持たず、
Let-go(手放し)して、完了しようと思っています。

傾聴のチカラ

コーチングがきっかけで出会った仲間と共に、
NPO法人の設立準備をしています。

毎週、何かしらのSkypeミーティングをしていますが、
そこで役立つのが、やはりコーチングで学んだスキル。

傾聴、拡大質問、俯瞰、比ゆなどのコーチングスキルは、
実務についてのミーティングでもしっかりと役立っています。

コーチングを学んだ人とそうでない人との違いとして
大きいのは、私は傾聴のスキルだと感じています。

コーチは言葉だけでなく、エネルギーやムードまで、
聴き取ります。そして、言葉の底に流れている
その人の意図や価値観まで感じ取り、
性急に結論を出そうとはしません。

もし、世の中すべての人が、相手の話をコーチと同じくらい、
深いレベルまで聴き取っていたら、争いごとやすれ違いは
もっと少なくなるんじゃないでしょうか。